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加齢黄斑変性症

目の病気について

加齢黄斑変性症

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どんな病気?

加齢に伴って「黄斑」(物を見るために必要な感度の良い「視細胞」がたくさん集まっている部分)が障害される病気です。

症状は?

視野の中心が歪んで見えたり、ぼやけて見えたりします。多くの場合、最初は片方の目に起きて、しばらくするともう片方の目にも現れます。両目で見ていると、脳が見えない部分を補ってしまうため、最初は見え方の異常に気付かないことが多く、その結果病気が進行するまで放置してしまうと、視力が著しく低下したり、失明することもあります。

見たい部分が歪んだりぼやけたりして、「買い物の時に値札が見えない」「包丁で切ろうとしている部分が見えない」等の症状が現れたり、片方の目が実際にはよく見えていないために「遠近感が分かりにくい」等の症状が現れます。その場合は、加齢黄斑変性症が進行している可能性がありますので、早めに眼科を受診なさってください。

自分でチェックしてみよう

①1つのマス目が5㎜四方程度の方眼紙を用意する。

(なければ、障子の桟などでチェックしても良い)

②眼鏡やコンタクトレンズは付けたまま(近方を見やすくして)、方眼紙を目から30㎝程度離す。

③片方の目を隠してもう片方の目で見て、方眼紙の線が歪んだり、真ん中が暗くぼやけることが無いか確認しましょう。

④反対側の目も確認しましょう。

発症の要因は?

眼球の後方中央部に視力と最も関係の深い所があり、これを「黄斑部」といいます。特に、黄斑部の中心にある「中心窩」が障害されると、視力が著しく低下します。

加齢黄斑変性症は、病気の起こり方によって2つのタイプに分けられます。

  • 進出型
    網膜には、視細胞、その外側に網膜色素上皮細胞、さらにその外側に血管が通っている脈絡膜があります。視細胞は新陳代謝を繰り返し、その老廃物を「網膜色素上皮細胞」が消化します。加齢によって網膜色素上皮細胞の働きが衰え老廃物が蓄積すると、脈絡膜にある毛細血管から新生血管が生えてくると考えられています。新生血管はもろく、「出血」や「むくみ」を引き起こします。すると、視細胞が持ち上がり、凹凸になって物が見えにくくなります。進行が速く、視力が著しく低下することが多いです。

  • 萎縮型
    視細胞の下にある網膜色素上皮細胞等が加齢に伴って萎縮し、黄斑の視細胞が徐々に死滅することによって、視野が欠けていきます。病気の進行は比較的ゆっくりで、視力も緩やかに低下していきます。現在の所有効な治療法が確立されていないため、予防的な治療が行われます。

 

 

加齢黄斑変性症の検査

  • 視力検査…矯正視力がどの位保たれているのか確認します。
  • 眼底検査…目薬で瞳孔を拡大して網膜の状態を調べます。新生血管の状態や新生血管からの水分の漏れ、出血等が分かります。目薬の影響で、点眼後5~8時間程度まぶしく感じたり近くが見えにくくなりますが、元に戻りますのでご安心ください。
  • 光干渉断層計(OCT)…10層に分かれている網膜の断面を撮影して、網膜の状態を詳しく調べます。網膜のどの層に異常があるかが判定でき、網膜のむくみや剥離、新生血管の有無や状態が分かる他、視細胞の状態も確認できます。撮影は数秒間で終了し、まぶしいですが痛みはありません。
  • 蛍光眼底造影検査(FAG)…造影剤を点滴して眼底の血管の状態を調べます。新生血管は血管壁が弱いので、造影剤が漏れ出します。造影剤を使った眼底の画像を見ることで、新生血管の有無、そこからの水分の漏れや出血の状況等が分かります。撮影は数分間で終了し、まぶしいですが痛みはありません。

加齢黄斑変性症の治療

※当院では下記治療法は施行しておりませんので、施行可能な医療機関を紹介させて頂きます。

  • 抗VEGF療法
    血管内皮増殖因子(VEGF)という、新生血管の成長を促す蛋白の働きを抑える抗VEGF薬を眼球に注射します。黄斑部のむくみが改善し、見えにくいといった症状が改善すると共に、人によっては視力が回復することもあります。注射をする際には局所麻酔の点眼薬を使用するため、痛みはほとんどありません。
    加齢黄斑変性症そのものを治す治療法ではないため、定期的に注射をする必要があります。通常、月1回の注射を3ヵ月続け、その後は経過観察をしながら、病状によって注射の間隔を変えます。
  • 光線力学的療法(PDT)
    特殊なレーザーを当てて、新生血管を閉塞させる治療法です。抗VEGF療法では効果がない場合等に組み合わせて行われます。
    治療は、光を当てると化学反応を起こす薬を腕の静脈に点滴してから行われます。点滴した薬は黄斑部の新生血管に集まる性質があるため、新生血管だけを狙って弱いレーザーを当て、周辺の正常な組織へのダメージを最小限に抑えます。
    光線力学的療法には視力低下を抑える効果がありますが、抗VEGF療法のような視力を回復させる効果は期待できないとされています。
  • レーザー療法
    新生血管が中心窩から離れている場合、レーザーを当てて新生血管を焼き切ります。出血や浸出液がなくなり、視細胞の障害が抑えられます。治療を受けると症状の進行は抑えられますが、レーザーが当たった部位の視細胞も同時に障害されるため、その部位の視野が欠けます。そのため、新生血管が中心窩やその近くにある場合は行うことができません。

加齢黄斑変性症の予防

  • 禁煙する…喫煙は血液中の酸化ストレス(体内で酸化が進んで、好ましくない状態になること)を増やし、加齢黄斑変性症の背景にある炎症を引き起こすと考えられているため、喫煙者は禁煙しましょう。
  • 日光を避ける…黄斑部は光が集まる部位なので、強い光が当たる場所にいると、黄斑部の細胞に影響があります。日差しが強い日は、サングラス、つばのある帽子、日傘等を使って光を遮り、目を守りましょう。
  • 食生活に気を付ける…酸化ストレスを減らすために、抗酸化物質を多くとりましょう。抗酸化物質は、緑黄色野菜に多く含まれています。特にビタミンC(アセロラ、ケール、ピーマン類)、ビタミンE(枝豆、落花生、モロヘイヤ、かぼちゃ)等の抗酸化ビタミンや、緑黄色野菜に多く含まれる色素であるルテイン(ケール、モロヘイヤ、パセリ)、亜鉛(牡蠣)に、加齢黄斑変性症の進行を抑える作用がある事が分かっています。日常の食生活で緑黄色野菜をしっかりとるのが理想ですが、食事から十分にとれない場合は、サプリメントから補給しても良いでしょう。

加齢黄斑変性症は完治が難しい病気ですが、抗VEGF療法が登場してからは、早期治療によって良好な状態を保つことができるようになりました。そのため、普段から片目ずつ見え方をチェックしましょう。

©2020 野町どい眼科